50年前のオメガの自動巻腕時計を修理しました
昭和44年におじいちゃんが買ったオメガの自動巻腕時計が修理にきました。
壊れたオメガの時計は購入したときの箱に入れてあります。中には購入したときの保証書や取扱説明書も同封されていました。
きっと大事にしていたのだと思います。おじいちゃんの想いに答えるためにシッカリと修理したいと思いました。この記事があなたの腕時計修理に生かされるように説明します。
文字盤にサビがあるオメガの修理
外側から見ても文字盤にサビが出ています。リュウズも動きません。
初めてのお客様でしたので事情をお聞きしました。
50年前のオメガはおじいちゃんの形見
7年前に96歳で亡くなったおじいちゃんのオメガが修理できないか?リュウズが切り替えられません。
数年前に、日本橋のデパートで修理を依頼したら
「当店では修理はできません。メーカーに送って修理をすれば5万円から10万円は請求されるでしょう」
と言われ、断念しました。
今日は富岡製糸場に見学に来たので、ついでに吉村時計店によって修理ができるか聞いてみたいと持参しました。
いろいろ質問をしたら、神奈川県から来られたそうです。吉村時計店も有名になった!と、喜んだり、驚いたり?です。
修理の見積のために裏蓋をあける
リュウズは動かせないし、文字盤にもサビが浮いています。時計の内部を見て、動かない原因を突き止めなくては修理の見積もりができません。
お客様にオメガの裏蓋を開けて、故障個所の特定をしたい、と了解を求めました。
お客様は快諾されたので、早速裏蓋をあけました。
オメガの修理代は5万円以内
オメガの内部は思ったよりきれいでした。
きっと、おじいちゃんは大事に取り扱ったのだろうと思いました。
リュウズの動かない原因は
リュウズが動かない理由は、
- サビ
- かみ合わせのズレ
が原因です。
細かい歯車まで全部取り外して、清掃し磨滅していないか一つ一つ確認します。
動力源になるバネは伸ばすとこんなにも長くなります。
小さい部品にも注意してオーバーホール
文字盤を外し、周りの細かな部品を清掃。
チックタック動く振り子も調整します。小さな部品でも、無駄なものはありません。
全部を元に戻して、動作確認をします。
ケースに入れる前の腕時計
短針と長針を外してある、腕時計の表側です。キレイに仕上がりました。
こちら側が裏側です。
修理が完了
最終的に時間の調整をして修理が完了しました。
約1か月お預かりして、完全にオーバーホールしました。
修理が完了の電話をしたら、とても喜んでくれました。修理代は神奈川県からわざわざ来ていただいているので、大・大サービスで3万円としました。
当店では修理品を宅急便で送ることはしていません。必ず来店して正確に動くことを確認していただいてからお渡ししています。そのときのお客様の喜ぶ顔を見て満足します。